日本フットケア・足病医学会からの提言
現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、未だ終息する方向へは至っておりません。治療薬やワクチンの開発も見通しが立っていない状況です。現時点で、COVID-19 は時に急激に重篤な呼吸器障害を併発し、特に免疫力の衰えている高齢者や様々な持病をお持ちの方々では死亡率が高いことが指摘されています。
日本フットケア・足病医学会の関与している多くの患者さまは、心臓血管系疾患合併や透析を必要とされ、加えて糖尿病、PAD、慢性静脈不全等により慢性的な下肢機能の低下(骨格筋の減少=サルコペニア)を来している方々です。現在、政府の方針により、接触8割減を目指し「外出自粛要請」が出されており、また多くの医療機関にて、慢性疾患に対して病院への受診を控える方針がとられています。わたしたちが抱えている患者さまは、下肢慢性疾患が主ですので、「Stay Home」が、さらなる下肢機能の低下を招くことが危惧されます。
そこで、
1.自宅でできるリハビリテーション:身体機能保持
2.自宅でできるフットケア
3.足ケアナビによる遠隔診療のススメ:創傷を有する患者さまへの重症化予防
を目指し、以下の内容を発信したいと思います。
1.自宅でできるリハビリテーション:身体機能保持
自宅で可能なリハビリテーションを推進するために、「公益社団法人 日本理学療法士協会」のHPでの運動や「公益社団法人
愛知県理学療法士会」が作成した動画が公開されています。
日本理学療法士協会
https://rigakulab.jp/2020/04/22/id000043/
公益社団法人 愛知県理学療法士会
https://www.youtube.com/watch?v=qYPs58sSv4w&feature=youtu.be/
https://www.youtube.com/channel/UCklPVvHdkxc4_Sal0n40Zhg/
少しでも身体を動かし、自身の身体機能保持をお願いしたいと思います。会員の皆さまが抱える患者さまやご家族等へお知らせいた
だけますと幸いに存じます。
※ベッド上運動以外は室内履きを着用した上で実施し、運動するときはキャスターの付いていない安定した椅子を使用して下さい。
2.自宅でできるフットケア
緊急事態宣言により「Stay Home」が推奨され、対面の診療などが制限されてきました。本来ならフットケア外来等に通院され
ていた方々を対象に自宅でできる予防的ケアの実際を、すでに創傷を持つ方には重症化予防を目的としたケア方法をわかりやすく写
真やイラストを交えながら解説する資料を掲載しました。お家でできるフットケアを実践していただく手助けになれば幸いです。
⇒「自宅でできるフットケア」
3.足ケアナビによる遠隔診療のススメ:創傷を有する患者さまへの重症化予防
社会医療法人敬和会大分岡病院創傷ケアセンター形成外科の松本健吾(医療機器研究開発事業レスキー 代表)のご厚意により、
『足ケアナビ』の無償提供をご提案いただいております。ソフトウェアのご提供は、 木村情報技術(株)です。これは、「遠隔連
携ソフトによる下肢創傷重症化予防の取り組み」となります。以下のHPにアクセスいただき、皆さまが抱えます足病患者さまの重
症化予防の一助となりましたら幸いに存じます。
「足ケアナビ」は、2021年3月31日をもってサービスを終了となります。
同様のシステムについて検討中ですので改めてご案内いたします。
2021年8月2日より新足ケアナビ「Join」の運用を開始しました。
利用方法のご案内よりご確認ください。
「Stay Home」のため自宅で何もしないのではなく、コロナ明けの未来へと繋げていくことができればと思います。
2020年5月8日
一般社団法人 日本フットケア・足病医学会
理事長 寺師 浩人
総務・渉外委員会 佐藤 勝彦
広報委員会 溝上 祐子
社会保険委員会 市岡 滋
リハビリテーション推進委員会 河辺 信秀