退任の挨拶

小林前理事長

 この7月から新設されました日本フットケア・足病医学会の初代理事長を勤めて参りましたが、予定通りこの9月の富士山セミナー理事会にて退任いたしました。謹んでご報告申し上げます。

 7年半と言う長い期間、理事長を拝命し任務を遂行できましたのも多くの皆様の支援の賜物であったと感謝しております。改めましてお礼申し上げます。

 思えば、事務局を一般施設からメディカルトリビューン社に移せたとホットしたところで、今度はすぐに事業から撤退すると通達があり、再度、現在の春恒社さんにお願いしたことはつい先頃のように感じます。会員数の増加や財務基盤を安定化させるための多くの苦労がありました。何より、理事長就任翌年には、任意団体から社団に組織替えし運営したことは組織の透明性を確保するためにも当然の事であったと認識しています。一方、契約問題のトラブルから改めてフットケア学会編纂の正式教科書を作成したことも苦渋の決断でしたが、これも最終的には関係の方々全員からご理解いただき円満に解決致しました。

 こうした中、フットケア指導士1500名余りが誕生し、各地区でのフットケアイベント開催にて「フットケア」の重要性を一般市民に啓発できたことは大変嬉しく思っています。何より、透析現場で診療加算がつけられました。また、9月11日にはNHK「ためしてガッテン」にてフットケアの重要性とポディアトリストがいないと言う事実を放映いただいたことは理事長として最後の締めとなった嬉しい最後となりました。

 特にナースの持つフットケアという現場力を生かし、真に患者さんのための医学会であることを目指してきました。学術団体である以上民間の団体とは一線を画した活動を行うとともに、しっかりとしたエビデンス作りを目指し、内には厚労省に、外には国際学会誘致にも対応できる盤石な団体であることが重要だと信じてきました。こうした考えから、ポディアトリストが存在しないわが国にあって、診療科を超えたオールジャパン体制で臨むべく、予防から早期発見そして進展防止と「歩ける足・生活できる足」を残すべくシームレスな医療体制の確立を願ってやみません。様々な意見がある中、およそ5年を経て日本フットケア学会と日本下肢救済足病学会の両学会の統一化がなされました。交渉妥結に向き合っていただいた多くの関係者にお礼申し上げます。今後は新理事長のもとさらなる発展を祈願しております。

 今後も、学術団体として倫理観を持った学術団体としての運営をお願いして退任の挨拶に返させていただきます。

湘南鎌倉総合病院院長代行
小林修三

小林前理事長と寺師新理事長

寺師理事長挨拶

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