足のセルフマッサージとその効果
──今日からできる“足を守る習慣”
コラムリレー 第8回/全23回
公開日:2026/02/10
日々の診療の中で、足のトラブルを抱えた多くの方にお会いします。
その背景にあるのは、加齢や筋力低下だけではありません。
実は、毎日酷使しながらも、最もケアされていない“身体の土台”が足だからです。
今日は、ご自宅で簡単に取り入れていただける「足のセルフマッサージ」について、私が普段患者さんにお伝えしている方法と、その医学的な効果をまとめました。
どれも難しいものではありませんので、ぜひ生活の中に取り入れてみてください。
1. 足の指と手の指で“握手”をして、足首をゆっくり回す
まずは、足の指と手の指をしっかり組み合わせ“握手”をします。
そのまま、ゆっくり大きな円を描くように足首を回していきます。
この動作には、次のような効果があります。
- 閉じたまま固まりやすい足趾(足の指)を広げる
- 足趾の柔軟性向上
- 外反母趾の進行予防
- 足趾を一本一本使えるようになり、つまずきや転倒の予防につながる
- 足首まわりの血行改善により、冷えの軽減
- 足部〜ふくらはぎの動きが滑らかになり、歩行の安定性が増す
足首と足指は、歩くときに“最後まで働く関節”です。
その可動域が広がるだけで、一歩の質が驚くほど変わっていきます。
2. 足趾のつけ根を一本ずつ深く曲げる(グーの動き)
足の指を根元から一本ずつ、しっかり深く曲げていきます。
手のこぶしに出っ張りが出るくらい、足趾の付け根まで意識して曲げていただくのがポイントです。
期待できる効果は次の通りです。
- 足のむくみの改善
- 足趾のしびれ改善(末梢の血流改善)
- 足趾の屈曲力アップ(踏ん張る力が強くなる)
- 足趾の血流改善
- 浮き指の改善につながり、膝痛・腰痛の予防になる
- 足のアーチ(土踏まず)の支えを強くし、疲れやすさを軽減
足趾の力は、日常生活の中では驚くほど使われていません。
しかし、足趾の筋力は歩行の安定性そのものです。
つけ根からしっかり動かすだけで、足の感覚が蘇ってきます。
3. ゴルフボールで足底腱膜をほぐす
足裏の中央を走る“足底腱膜”。
ここが硬くなると、歩き始めの踵の痛みや慢性的なだるさにつながります。
ゴルフボールを床に置き、その上に足裏を乗せてコロコロと転がすだけで十分です。
得られる効果は以下のとおりです。
- 硬くなりやすい足底腱膜を伸ばし、柔軟性を回復
- 足底腱膜炎の痛み(とくに朝の踵の痛み)の改善
- 足裏の血行改善により、冷えの緩和
- 長時間の立ち仕事後の疲労感を軽減
- 足裏の感覚が鋭くなり、バランス能力向上
足裏は「第二の心臓」と呼ばれるほど重要なエリアです。
定期的にほぐしておくことで、全身のコンディションにも良い影響が及びます。
4. 足からふくらはぎへ向かって絞り上げるマッサージ
足の甲からふくらはぎへ、ゆっくり絞るように流すマッサージです。
リンパの流れと静脈の流れが足元に滞りやすい方には、特に効果的です。
期待できる効果は次の通りです。
- 足背・ふくらはぎのむくみ改善
- リンパの流れが良くなり、だるさが軽減
- ふくらはぎの筋ポンプ作用が活性化
- 冷えやすい方の体温維持に役立つ
- 長時間の立ち仕事・座り仕事後の疲労回復
足元が軽くなるだけで、身体全体の動きが自然とスムーズになります。
今日から“足を守る習慣”を
足のケアは、特別なものではありません。
1日5分でも続けていただくことで、歩行の安定性、疲れにくさ、痛みの予防に大きな違いが生まれます。
足は、私たちの生活を支え、人生を前へ進めてくれる大切なパートナーです。
どうか労わってあげてください。
文責:菊池 守