糖尿病にまつわる危険な足の病気
―「傷に気づかない」ことが、いちばんのリスクです!―
コラムリレー 第7回/全23回

公開日:2026/01/28

1. 糖尿病と足の深い関係

 私たちは毎日、何千歩も足を使って生活しています。それなのに、自分の足をじっくり見る機会は意外と少ないものです。糖尿病がある人にとって、この「足を見ないこと」こそが、足を危険にさらす最大の原因になります。
 みなさまは「糖尿病」と聞くと、「足を切らないといけなくなる」「目が見えなくなる」「透析になる」など、不安なイメージを持つかもしれません。しかし、これらはすべて必ず起こるものではありません。医療者と一緒に適切な管理を続けることで、多くは予防が可能です。今回はその中でも、「足」に焦点を当ててお話しします。。

2. なぜ糖尿病では足の病気が起こりやすいのか

 糖尿病で足の病気が起こりやすい理由は、大きく分けて①神経障害、②血流障害の2つです。血流については別のコラムで詳しく触れていますので、ここでは神経障害についてお話しします。血糖値が高い状態が続くと、足の神経が傷つき、しびれや違和感が出てきます。さらに進むと、痛みや熱さを感じにくくなります。
 すると、小さな傷、靴ずれ、マメ、やけどがあっても「痛くない」ために気づかなくなります。

3. 「傷に気づかない」ことがいちばん怖い

 ダジャレのようですが、「傷に気づかない」ことこそが、糖尿病の足を危険にする最大の理由です。気づかないまま歩き続けると、皮膚は傷つき、えぐれた傷(足潰瘍)になります。そこに細菌が入ると感染が起こり、血糖値が高い状態では治りにくくなります。さらに悪化すると、骨まで感染したり、組織が黒く壊死する「壊疽(えそ)」に進むこともあります。また、神経障害がある人では、足の骨にヒビが入っても痛みを感じず、そのまま歩いて骨が崩れてしまう「シャルコー足」という病気もあります。赤く腫れて熱っぽいのに痛くない足は、要注意のサインです。

4. 足を守るために、今日からできること

 ここで大切なのは、「痛みを基準にしないこと」です。糖尿病の足では「痛くない=大丈夫」ではありません。だからこそ、毎日自分の目で足を見ることが、何よりの予防になります。
 足の裏、かかと、指の間、爪のまわりに、赤み、腫れ、ひび割れ、マメ、傷がないかを確認しましょう。見えにくいときは鏡を使ってください。洗うときに手で触ることも大切です。足を清潔に保ち、洗ったあとはしっかり乾かし、乾燥しやすい部分は保湿をしましょう靴は足に合ったものを選び、履く前に中に異物が入っていないか確認してください。

5. 最後に

 もし「赤い」「腫れている」「治らない傷がある」「黒くなっている」などの変化に気づいたら、早めに医療機関に相談してください。傷に気づかない足だからこそ、「見ること」「触ること」が最高の治療になります。これまで頑張ってくれたご自身の足を、今日から少しだけ気にかけてあげてください!

文責:山﨑 優介

バックナンバーはこちら

上へ戻る